展覧会のご案内
オール早稲田文化週間1998 図書館企画
「錦絵にみる近代日本の夜明け」展
会期 | : | 1998年5月11日(月) 〜 5月17日(日) |
会場 | : | 早稲田大学総合学術情報センター 2階展示室 |
時間 | : | 10:00 〜 17:00 |
出品目録
近世史略薩州屋敷焼撃之図
「錦絵にみる近代日本の夜明け」展
多色刷りの木版画である「錦絵」(にしきえ)は、また浮世絵とも呼ばれ、練達の職人によって作られる芸術作品であるとともに、
江戸時代後期の庶民の間のメディアとして、大きな役割をはたしていました。ことに、黒船の来航にはじまる幕末・維新の動乱から、
文明開化、西南戦争、自由民権運動から憲法発布にいたる明治前期までの時代を通じて、その時々のできごとや世相を庶民・市民の視点でとらえた、
いわゆる「諷刺錦絵」の存在は、歴史の激動をいまに伝える貴重な同時代資料といえるのではないでしょうか。
早稲田大学図書館には、写楽や歌麿の名作などはありませんが、幕末から明治にかけて出された、諷刺的、
報道的な錦絵が比較的豊富に所蔵されています。歴史に残る大事件を報じたもの、
不景気に対するお上の無策を皮肉ったもの、新しい建物や新開地のようすを絵にしたものなどから、
市井の猟奇事件を毒々しい絵入りでセンセーショナルに書き立てたものまで、
今日見られるマスコミ・ジャーナリズムの、ほとんどの要素を、これらの錦絵はすでに備えています。
そこには当然、大衆の嗜好におもねった誇張や歪曲もあり、事実誤認や根拠のない風聞もまじっていると思われますが、
諷刺主義やセンセーショナリズムという点において、今日のマスコミも、そう変わってはいないと思われます。
今年ちょうど、NHK大河ドラマがこの時代をとりあげています。幕末・明治の「フォーカス」「フライデー」「フラッシュ」ともいえるこれらの資料とともに、
すこしの間タイムスリップしてみるのも良いのでは。
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First drafted April 4, 1998
Last revised March 16, 2006