展覧会のご案内

戯画のいろいろ
民衆の中の諷刺と諧謔
会期  :  2004年3月24日(水)〜4月27日(火) 日曜閉室
会場  :  早稲田大学総合学術情報センター 2階展示室
時間  :  10:00 〜 17:00

「人かたまつて人になる」歌川国芳画

L'Assiette au Beurre (1901)より

「戯画のいろいろ−民衆の中の諷刺と諧謔−」

  戯画は長い歴史をもっています。
  日本では、鳥羽僧正覚猷の筆になるといわれる有名な「鳥獣戯画」以前にも、戯画めいたものは描かれていたようです。人々は、わざとデフォルメした絵画表現のなかに、痛烈な諷刺やそこはかとないおかしみを見出し、自由で猥雑でさえあるそれらの絵に、じぶんが生きている人間社会の真の姿を透視していたのかもしれません。
  戯画は、ただおもしろおかしく、ふざけて描いたものばかりではありません。パロディやアレゴリーの形をとりながら、それぞれの時代背景を的確に映し出し、残酷なまでにえぐり出しているような作品もたくさんあります。ヨーロッパの銅版あるいは石版画、日本における木版の浮世絵の中には、たくさんの戯画・諷刺画が含まれています。印刷術が発達し、ジャーナリズムが大衆化してからは、それらは大量の「漫画」となって、我々の日常に欠くことのできない一ジャンルをなしているといっても過言ではありません。
  早稲田大学図書館所蔵の資料のなかから、いくつか、そうした「戯画」とよべる資料をえらんでお目にかけましょう。さまざまな時代に、よろこび悲しみそして苦しみながら生きていた人々の気持が、そこにはこめられているのです。

2004年3月 早稲田大学図書館
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First drafted March 23, 2004
Last revised November 21, 2005