「日本近代文学会大会記念 井伏鱒二展」開催結果報告

1999.6.9
展 示 部 会

 1999年5月21日(金)〜27日(木)2階展示室において標記の展示会を開催した。
 日本近代文学会が5月22日(土)、23日(日)の両日、早稲田大学大隈講堂で行われることに伴っての記念展示であり、22日(土)は19時まで、23日(日)は10時より17時まで開室した。
内容/作家・井伏鱒二(1898〜1993)の著作初版本・自筆原稿・書・写真ほか約120点(稲門ライブラリーへの井伏氏寄贈資料が中心)
 会期中の5月26日(水)、井伏鱒二氏夫人、井伏節代さんが来館され、展示をごらんになった。
 会場に置いたノートに記された観覧者の感想を以下に記録する。(以下原文)

◇一早大生として、井伏さんが持っていた文学を愛する心、そして早稲田を愛する心をいつの時代になっても大切にしなくてはいけない、と痛感した。

◇約5年ぶりに早稲田の森に来ました。懐しい気持ちと、なにかすごく新しく、きれいになったなぁーとちょっとさびしい気持(時代の移り変わりなのでしかたないが)が入り交っています。井伏さんが、早稲田をこよなく愛したように、私も、自分の心の中に、早稲田を愛する心があります。母校愛に目ざめた一日だった。

◇井伏鱒二、横光利一、国木田独歩、北村透谷、丹羽文雄、横光利一、正宗白鳥、五木寛之、野坂昭如、尾崎士郎、尾崎一雄、三浦哲郎等、多数の文学者が早稲田大学より生まれました。だから私も早稲田大学に憧れ入学しました。

◇作品数の多さに驚きました。「黒い雨」と「山椒魚」ぐらいしか知らなかったので・・。

◇井伏鱒二のおおらかな文字に心がのびのびとしました。「紙凧のうた」がとても好きです。これから彼の書物を読んでいきたい。

◇私は書のことなど、まるで分かりませんが、一見してとても温かみのある書体で、見ていて心が安らぐ思いがする。

◇「花にあらしのたとへもあるぞ さよならだけが人生だ」井伏の長きにわたる文学への情熱が たんたんと伝わってきた。私も、一早大生としての誇りを自認した。

◇「ドリトル先生」シリーズの翻訳をされていたのにオドロキました。またぜひ他の作家の展示会もおねがいします。

◇比較文学の授業で「チェーホフと井伏」の関係を考えてみたばかりだったので、興味深かった。

◇私も作家志望で、早稲田に憧れ、入学しましたが、まだまだ知らない作品がたくさんあります。井伏さんも、これほど多くの作品を書かれていたとは驚きです。読んでみたい作品がいくつもありました。ここの展示は、いつも宝探しのようで楽しいです。

◇早稲田ニュースで展覧会を知り、みにまいりました。創作の流れがすこしつかめました。

◇早稲田大学の聖書「人生劇場、青春編」の作者尾崎士郎の展示をして下さい。早稲田大学を舞台に早稲田大学生を主人公にした大ロマン「人生劇場、青春編」は、川端康成(ノーベル文学賞受賞、東京大学国文科卒)によって大変賛美され、ベストセラー、ロングセラとなった作品です。尾崎士郎は、文化功労者を受けました。

◇ドリトル先生の訳や、黒い雨の台本をかいているとはおどろきだ。「大人向け文学」しか書いていないと思っていたので。

◇井伏鱒二を知ったのは中学2年の時にジュニア文庫で読んだ「山椒魚」が最初であった。「多甚古村」「ジョン万次郎漂流記」、皆なつかしい。優しさ、雄大さを、感じた。早稲田出身として誇りに思う。1999.5.27

◇中学生の時読んでいたドリトル先生シリーズの訳者が井伏氏と知り、驚き、感激しました。




図書館ホームページへ
本ページの著作権、使用許諾条件、掲示責任者の表示
Copyright (C) Waseda University Library, 1996. All Rights Reserved.
First drafted July 8, 1999