漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
ジョン万次郎、アメリカへ
 
(1841、天保12年)
 

 天保12年(1841)正月、土佐国中ノ浜の漁船が暴風に見まわれ太平洋上を漂流、鳥島に漂着した。乗っていたのは万次郎のほか伝蔵ら4名。半年後、アメリカの捕鯨船に救助され、ハワイに至る。そこで万次郎は他の乗員と別れアメリカ本土に渡り、小学校教育を受けた。水夫、鉱夫などとして働いた後、ハワイに戻り伝蔵らとともに帰国を準備、嘉永3年(1850)アメリカ船で沖縄へ、さらに鹿児島に帰国。嘉永5年(1852)6月、土佐藩に引き渡され帰郷。 中浜の姓をうけ、坂本竜馬ら藩士に英学を教授、ペリー来航後は幕府に召され軍艦操練所教授方、咸臨丸通弁主任などの任につき、明治政府にあっても開成学校中博士として出仕した。


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No.23 大日本土佐国漁師漂流譚 
請求記号:文庫8 C440
鈍通子記録  嘉永6年 長崎 滄浪軒蔵板 1冊
 永福丸漂流の記録。漂流から帰国までを、日をおって記録する。
清国の衣食住についての記述が詳細である。


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No.24 漂客談奇 
請求記号:ル2 3083
吉田文次撰 写本 1冊

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No.25 漂客談奇 
請求記号:ル2 3161
吉田文次撰 写本 1冊
 土佐藩で行なわれた万次郎らの取調べの内容をまとめたもの。編者の吉田文次(正誉)は藩校文武館の教授で本書は藩主山内豊信(容堂)へ献上するために編纂されたものといわれている。多くの写本がある。


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No.26 漂巽紀略 
請求記号:ル2 3393
川田維鶴撰 写本 4冊
 吉田文次とともに土佐藩で万次郎らの取調べに同席した絵師川田維鶴(河田小龍)が編纂したもの。小龍は長崎留学の経験があり、蘭学の素養もあったという。文中に地図、動植物、機関車などの絵があるが、凡例によればこれらの挿画は万次郎の原画をもとに作成したものとある。


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