Web展覧会 No.42
 かつて夜は真に闇の世界であり、夕暮れは光と闇の狭間にあって人の顔も見分けられない文字どおり”たそがれ(誰そ彼)どき”でした。そうした時間帯、心もとない気持ちで行き交う人々の前に現れたのが妖怪変化、幽霊といった”異形のものたち”です。彼らは時に恐ろしく、時に滑稽に人を惑わしました。また、河童やウワバミ、龍といった、現代では絵空事としてかたづけられてしまうような想像上の動物たちもやはり”異形のもの”として喧伝され、人々の記憶にとどめられてきました。
 今回の図書館企画展示では、江戸時代の小説や絵画を中心とした館蔵資料の中から、そうしたさまざまな”異形のもの”たちにスポットをあてて紹介します。
 都会の夜空から天の川が消え、真の闇夜が失われた現代社会。行き場を失った”異形のものたち”はどこへ行ったのでしょうか。秋風とともに夕暮れが日増しに早まるこの季節、どこかで見たような、ちょっと変わった人?動物?たちを探して見ませんか。
2003年10月 早稲田大学

破奇術頼光袴垂為■(手偏に弱)



ふた口おんな(桃山人夜話より)



歯黒べったり(桃山人夜話より)



百鬼夜行絵巻



餓鬼草紙



付喪紙絵詞


大石兵六物語(上8点)

楠多門丸古狸退治之図



桃太郎豆蒔之図



源頼光公館土蜘作妖怪図



買運気十八番之内奸人商



東海道四谷怪談



箱入娘面屋人魚



天竺徳兵衛韓噺

© WASEDA UNIVERSITY LIBRARY, 2003