早稲田大学図書館所蔵貴重資料
十二枝句合
野々口立圃/請求記号: ヘ5-6098
十二枝句合
野々口立圃撰並画。1666(寛文6)年。自筆。1巻、25.2cm×342.5cm。
後世の俳画の隆盛のきっかけを作ったともいわれる、
野々口立圃(1595〜1669)の作品『十二枝句合』を紹介する。
この作品は立圃の自筆句合画巻。十二支を読み込んだ彼自作の発句に、それぞれ対応する干支が描かれている。動物の組み合わせは七つ目といい、辰と戌のように七番目同士を合せたもので、大変めでたい組み合わせだ。
十二単を着込んだ蛇など装束を着て擬人化された動物が愛らしく、また滑稽味を感じさせる。立圃晩年の円熟の境地を伝え、数多い立圃自筆資料の中でも秀作と言える。後世、
渡辺崋山(1793〜1841)をして「立圃見事候」(『俳画譜』)と言わしめた彼の力量を存分に発揮した逸品だ。
またこの画巻の軸には子から亥までが方位の形に丸く彫りこまれており、大変凝った作りとなっている。ひょうたんで作られた入れ物とあわせて、大変趣のある仕上がりである。
本画巻は横山重氏(赤木文庫)旧蔵である。
野々口立圃
1595〜1669。江戸前期の俳人、画家。京都の人。本名野々口親重。雛屋と称し、家業は雛人形細工。連歌を猪苗代兼与に、俳諧を貞徳に師事。『犬子集』編集に携わるが、その後貞徳から離反、一流を開く。『俳諧発句帳』『はなひ草』ほか多数著作あり。
渡辺崋山
1793〜1841。江戸後期の三河田原藩士、画家、蘭学者。江戸生まれ。蛮社の獄に連坐、その後国許に帰ったのちに自刃した。『鷹見泉石像』『四州真景』をはじめとした絵画作品の他に、『慎機論』などの著作がある。
* このページは、早稲田大学学生部発行「早稲田ウィークリー」所収「早稲田の貴重書」に若干修正を加えたものです。
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First drafted Febrary 18, 1998
Last revised November 25, 2005