内容記述 |
請求記号:文庫08 G7 ; 材質:絹本彩色 ; 数量:一額 ; 大きさ:30.5×26 ; 解説文:蘭法の臨床医学は文政年間にシーボルトによって伝えられた。そして安政4年(1857)に来日したポンペ(1829〜1908)の本格的な指導により,蘭法医学に対する世評はにわかに高まった。医学生の長崎往還がさかんになり,江戸や大阪で開業する蘭法医が現れ,おおいに繁盛したと伝えられている。 その頃の伝統的な儒医は,「准南子」に記された「神農」像を本草医学の神として祭り,医業の証としていた。これに対して,新興勢力の蘭法医たちは,古代ギリシャ医学の大成者,西洋医学の父たる「ヒポクラテス」像を掲げて,本草医達に対抗した。 この図像はそのような理由から,蘭法医のシンボルとして珍重された。相応の需要があったらしく,有名な渡辺崋山筆の優品のほか,多数が描かれたようである。本館には別掲の「芝蘭堂新元会図」に描かれたもの以外に,4点の類品が所蔵されている。図示したものは,宇田川榕庵筆によるもの。肖像左に「聖弟子宇榕拝描」と金泥で署名されている。 ;
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