早稲田フェスタ in 遠州 2000 企画展示

早稲田大学図書館所蔵 江戸・明治の広告展
〜150年前の宣伝チラシ〜

*会期:2000年7月1日(土)〜7月12日(水) 月曜休館
   9時〜18時 (土・日曜は17時まで)
*会場:磐田市立図書館展示室
*主催:磐田市教育委員会・早稲田大学・遠州稲門会
*共催:中日新聞東海本社
*後援:静岡県教育委員会・浜松市教育委員会

*出展目録
写真


「早稲田大学図書館所蔵 江戸・明治の広告展」開催にあたって
早稲田大学図書館

 昨年に引き続き、今年も遠州稲門会のみなさんをはじめ、多くの方のご尽力により、"早稲田フェスタin遠州"が開催されることとなりました。今年は新たな企画として、早稲田大学の図書館で所蔵する資料の中から、普段あまり一般の方にご覧いただけないような資料を展示することとしました。展示内容は、江戸時代から明治時代にかけて印刷され、広く世間に流布した多くの広告類です。
 ここに展示いたします資料は、校友の西垣武一氏(1901〜1967、1927年政経卒)が収集されたものの一部です。ジャーナリズムの発展に強い関心を持ち、自らも広告社を経営されていた西垣氏は、新聞資料協会を設立、多くの貴重な新聞資料、広告資料を収集されました。それらすべてが西垣氏の没後、ご遺族より早稲田大学図書館に寄贈されたのは1968年のことで、図書館ではその後これを「西垣文庫」として整理、多くの研究者の閲覧に供しています。
 広告はその時代の世相や庶民生活を映す鏡であるといわれます。今日のような意味での印刷物としての広告が登場するのは、江戸時代中期、人口の膨張やさまざまな物産の流通にともなって貨幣経済が発達し、江戸や大坂、名古屋などに都市民衆社会が形成されてから後のことです。山東京伝や為永春水のような人気のある戯作者たちが、いろいろな製品を宣伝する「引札」(今でいうチラシやパンフレット)の筆をとり、市民の間でもてはやされました。
 明治時代に入ると、各種新商売もはじめられ、また印刷技術・複製技術が飛躍的に発展したことによって、広告の世界は一挙に多様化し、規模も大きくなってゆきます。これらに見られるキッチュな意匠の広告類は、当時の人々の生活の風景の中にあったものであり、時代の匂いを濃厚に、今に伝える貴重な資料といえるのではないでしょうか。
 こうした資料は多く「引札」「絵ビラ」「絵看板」などと呼ばれる一枚の印刷物のかたちで作成されましたが、宣伝媒体としての役目を終えれば無用となるというその性格から、実に散逸しやすく今日まで残るものは決して多くはありません。西垣文庫にはそういった貴重な一枚刷の資料が約5000点収められており、その内容は多種多様です。今回はそうした江戸、明治時代の広告の中から、面白そうなものを選んで展示しました。中にはご当地静岡のものもあります。どうぞごゆっくりご覧ください。

2000年7月


図書館ホームページへ
本ページの著作権、使用許諾条件、掲示責任者の表示
Copyright (C) Waseda University Library, 2000-. All Rights Reserved.
First drafted July, 2000