21波留麻和解 一名江戸ハルマ 文庫8 A209 重要文化財
『波留麻和解』の写本。大槻家旧蔵の橙色表紙本である。巻頭に大槻玄沢(磐水)の序と宇田川玄真の書いた凡例が貼付されている。従来一般的に「稿本」の名で呼ばれてきたものであるが,刊本をこ採用された訳語あるいはそれに近い訳語がこの写本でも一番右の欄に記され,その左側に別の訳語が書かれているものが多いこと,刊本の訳語にあたるものを抹消して新しい訳語を書き加えたと思われるものも散見すること,刊本では未詳とされるオランダ語に写本では訳語を与えられている場合があることなど,さらに,刊本成立よりも後に完成した『ドーフ・ハルマ』の訳によった部分があることも指摘されている。
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