31シーボルト外科証明書 文庫8 E21
文政10(1827) 原本 1枚

ドイツ人医師フランツ・フォン・シーボルト(1796−1866)が周防国平生村出身の医師岡泰安(1796-1858)に与えた外科技術証明書。泰安は文政9年長崎に赴いてシーボルトの教えを受け、眼科・外科・内科に精通した。

32高野長英蘭文書簡 文庫8 E22
岡泰安宛 文政10(1827) 原本 1額

高野長英(1804-1850)は文政8年に長崎に遊学し、シーボルトに学んだ。この書簡は、同門であった岡泰安に送ったもので、長崎遊学時代への惜別の想いをつづっている。岡家旧蔵。

33ヒポクラテス像 文庫8 G7
宇田川榕庵画 絹本彩色 1額

ギリシアの医聖ヒポクラテスの像は多くの蘭学者が描き、儒者が神農氏をまつるように、その像を掲げた。「芝蘭堂新元会図」(17)の図中央にも壁に掲げられているのが見える。

34ドドネウス草木譜 文庫8 F3-6
石井当光等訳 付・原本

オランダの植物学者ドドネウス(1517-85)の『草木誌』は、日本に舶載された西洋博物書のうち、もっとも多くの人に利用された書物である。松平定信が全訳を命じ、石井当光、吉田正恭、羽栗費らがこれに当ったが、江戸大火により焼失した。本書は稿本の一部である。

35大西楽律考 文庫8 B41
宇田川榕庵訳編 自筆 1冊

西洋の音楽について、オランダ書や中国書のなかを博捜、抄録して、考察を加えたもの。著者榕庵の多才博識の一端をうかがわせる資料である。

36植学啓原 三巻 付図一巻 文庫8 B36
宇田川榕庵撰 天保4(1833)序 3冊

文政5年(1822)西洋植物学の入門書『菩多尼訶経』を刊行した宇田川榕庵が、スウェーデンの植物学者リンネの著作など多くの書物を参考に編纂した日本最初の本格的西洋植物学の書。

37舎密開宗 文庫8 B27-32
宇田川榕庵訳編 自筆 天保8(1837)刊行

イギリス人ヘンリー(1774-1836)の著『化学概要』のドイツ語訳をさらにオランダ語訳したテキストから、宇田川榕庵(1798-1846)が著した未完の大著。「舎密」(セイミ)はオランダ語の「化学」を音訳した語。近代化学の受容に直結する大きな業績である。